実体配線図



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お願い
実体配線図は気をつけて描きましたが間違いが有りました時はご容赦願います。

ヒーターの配線が太線1本で描いてありますが、見やすい様に描いたもので実際は2本の線をより合わせて配線しています。
実体配線図はAMP製作後に直す場合があるので、写真とは異なる部分がありますが、どちらの様に配線してもOKです。
初段管のヒーター配線はゲインの高い回路の近くを通ることになりますが、実体配線図や写真のような感じに配線すれば良いと思います。 ヒーター配線をシャシーの上側に通すことも有りますが、そこまでしなくても大丈夫です。
実体配線図には描かれていませんが、写真には電解コンデンサーからチョークトランスへの配線がされています。





製作
トランスや真空管ソケットの穴開けはこれらをシャシーの上に乗せます、重量配分や信号の流れを考えながら全体のバランスを決めて下さい。 実体配線図を参考にして全体の配置決めをしても良いと思います。
前面パネルのデザインは、電源スイッチ、パイロットランプ(LED)、VRなどシャシーにこれらの部品を実際に乗せて見てバランスの良い間隔にします、大体よければそこに記しを付けてから穴あけします。

シャシーにトランスの穴を開ける時は3mm位のドリルで四角に穴をあけた後その穴をニッパーで切って行きます、大きな穴があいたらヤスリでバリを取ってきれいな四角の穴にします。 この時使うニッパーは、刃こぼれしても良い物を使って下さい、新しいニッパーではもったいないです。

真空管やブロックコンデンサーの大きな丸穴はシャシーパンチを使って開けます、大きな穴が一発で開きます。 整流管と出カ管の周りには放熱用の穴も開けました。

シャシーの穴あけが終わりましたら部品をネジ止めして行きます、最初は軽い小物から取り付け、最後にトランスなどの重い物を取り付けます。 トランスや真空管や電解コンデンサーは実体配線図と同じ向きにして下さい。 向きが違うと同じ配線が出来なくなり、ハムやノイズが出る等のトラブルが起きたりします。

シャシーへ部品の取り付けが終わりましたらいよいよ配線です、最初にアースとヒーターの配線をします。 アースは一点アースではありませんがハムやノイズは少ないです。 一点アースにする時は、入出力ジャックを絶縁タイプの物にして下さい、その時は各ジャックのアースをアース母線まで配線して接続して下さい、実体図の中の”E”はアースポイントに接続して下さい。 12AX7 9pinMTソケットのセンターpinはアースして下さい。 アースポイントの所でまとめてシャシーにアースして下さい。 VRに密閉タイプを使った時はVRの金属カバーをアースして下さい。

ヒーター配線やAC100V配線はシャシーの隅を這わせて信号線に近ずけない様にします。 AC回路、整流回路、信号回路とはっきり分けて、入り乱れて配線をしないで下さい。 CRの取り付けは入力側から信号の流れに沿って半田付けして行けば付け間違いが少なくなります、一つの真空管ブロックの配線が終わりましたら間違いがないか確認して下さい。 Tr回路は一つのブロックの配線が終わると電源を入れて調整、確認をしますが、真空管AMPはその様にはしません、全ての配線が終了してから初めて電源を入れる様にして下さい。
プレート回路とグリッド回路をラグ板に配線する時は隣同士にならない様な配置にして下さい。 グリッド回路はあまり引き回さないで最短距離になるような配線をして下さい、カソード回路は少し位長くなっても大丈夫です。 本機はシールド線を1本も使っていませんが十分ローノイズです、もし心配でしたらLEVEL VRから12AX7、7pinグリッドに行く線をシールド線にして下さい。

電解コンデンサーは極性があります、電圧の高い方がプラス側になります。 高電圧の掛かる22uF/450Vのコンデンサーはプラスとマイナスを絶対間違わないで下さい、配線後に何度も確認してください。 下にブロック型の電解コンデンサー(22uF+22uF)の写真を載せました、赤ペイント、またはペイントの無い端子がプラス側で、黒ペイントの端子がマイナス側(アース側)になります。 メーカーの違いでペイントが無い物もあります。
カソードにつける33uF/50Vのコンデンサーは電解でもOSコンでもOKです、カソード側がプラスでアース側がマイナスです。
スチコンやマイカやフィルムコンデンサーや抵抗には極性はありません。
TONE回路のコンデンサーは高電圧が掛かっています、耐圧には注意してください。
12AX7 6pinプレートから6V6GT 5pinグリッドに行くカップリングコンデンサー0.02uF(0.022uF)は絶縁不良には注意してください、ビンテージ物のオイルコンデンサーを使う時には特に注意してください。

実体配線図は見にくい所があるかも知れません、回路図と合わせながら配線してください。



AMPをキャビネットに入れて逆さ吊りにする時は上の図のように「シャシー取り付け金具」を付けて下さい、この金具はアルミのL型金具を適当な長さに切ってネジ留めして下さい。

パイロットランプにはLEDを使いました、LEDには抵抗入り(6V-15mA の様に書かれている)と無しがあります”無し”を買った時は抵抗を付けてください、その他に6.3Vの電球でもOKです、またネオンランプでも良いでしょう。 ネオンランプも抵抗入りと無しがあります、ネオンランプはAC100Vを掛けます。

                                               左からLED、6.3V電球、ネオン

Dはシリコンダイオード、耐圧は50V以上ならOK、本機はダイオードを付けていますが、無くてもOKです。 RはLEDの明るさで抵抗値を変えてください、抵抗入りのLEDはRは不要です。


点検および確認
始めにNFB抵抗(2.7kΩ)の片側を外しておきます、調整が終わったらまた取り付けます。

CRの取り付け、配線などが全て終わりましたら点検、確認作業に入ります、誤配線が無いか何度も確認して下さい。
フューズホルダーに1Aのガラス管フューズを入れて下さい。 真空管はまだ取り付けません、電源はまだ入れません。 音量VRは最小にします。
テスターのΩレンジで整流管(5Y3GT)の8pinを当り、B電源回路がショートしていないことを確認します。 テスターはアナログの針式の方がわかり易いです、この時テスターの針は右に大きく振れた後、徐々に左側に戻って来ればOKです、これは回路に電解コンデンサーが入っているのでこの様な動き方をします。

注意
電源が入っている時は安全の為にシャシー内部にあまり顔を近ずけない様にして測定して下さい。
電源を切って次に入れる時はすぐに入れずに10秒以上時間が経ってからスイッチを入れる様にして下さい。
動作中の真空管は高温になっています、整流管や出カ管のガラス部分は150℃〜200℃になっています、火傷に注意して下さい。

B電源回路が正常なら電源を入れ、パイロットランプ(LED)が点灯するか確認します。 次にテスターで各真空管のヒーターpinを測り6.3V出ていることを確認します、確認できましたら電源を切ります。

今度は全部の真空管を差し込みます。 出カジャックにはダミー抵抗を差し込みます。 もう一度音量VRが最小になっているか確認します。 電源を入れ、各部の電圧が正しく掛かっていることをテスターで確認します、この時焦げ臭い匂いがしないか、煙は出ていないかも注意して下さい。 煙や匂いがある時はすぐに電源を切り原因を調べて下さい。 また真空管のヒーターやフィラメントが点灯していることも確認してください。
(ここでは直熱管はフィラメント、傍熱管はヒーターと言っています。)

動作確認
出カにダミー抵抗を接続します、オシロとミリバルが有ればダミー抵抗の両端に接続して下さい、入力にはまだ何も接続しません、TONE VRは中間に、音量VRは最小にして電源を入れます。 ダミー抵抗8Ωの両端の電圧をテスターで測りAC電圧が何も出ていないことを確認します、オシロとミリバルが接続されていればそれで確認して下さい。 ここまで正常でしたら次に、TONE VRや音量VRを回して異常が無いか、また発振などが無いか確認します、確認出来ましたら、最初に外しておいたNFB抵抗を元どうり半田付けします。 発振する場合は、出カトランス二次側を入れ替えて下さい、詳しくはサービスノートのページを参照して下さい。

全てOKでしたらこんどはスピーカーを接続し何も音(ハムやノイズ)が出ていないことを確認します。 次に音量VRを上げて行った時、僅かにサーと言う音が大きくなって行けばOKです。 本機は音量VRを最大にした時でも、サー音やハム音は非常に小さいですからスピーカーに耳を付けなければ聞こえません。

実測した入カ特性、周波数特性、歪率特性はCD版を見て下さい。

これでギターAMPの完成です、後は測定をするのも良し、ギターを思い切り弾くのも良いでしょう。
本AMPは出カが小さいですから、使用するスピーカーはなるべく効率の良い(音圧レベルの高い)ものが良いと思います。 たった4Wですがびっくりするほど大きな音が出ます。

ザー音が非常に大きい、ハムが出る、音量VRを最小にしているのにダミー抵抗の両端に数ボルトのAC電圧が出る、発振すると言う様な時はサービスノートの頁を参照してください。


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