パワー管変更


                                  6V6GT                                    

6L6GC                              KT88                                   

パワー管を他の物に取り替えてみたらどうなるのでしょうか?
オリジナルのフェンダーツイードデラックスには出力管に6V6が付いていますが、このフェンダーAMPに他の出力管をそのまま差し替えるのは危険です。 6V6はヒーター電流が0.45A、2本で0.9Aそれに12AY7、12AX7合計で1.5Aです、フェンダーAMPの電源トランスのヒーター巻き線が余裕の有る電流容量になっているとは思えません、良くても2A止まりでしょう、このトランスに6L6GCやEL34、KT88を使ったらどうなるでしょうか。
まず、出力の割りにヒーター電流の少ない6L6GCは1本で0.9A、2本では1.8A、他に12AY7と12AX7を加えて合計2.4A、定格を20%オーバーしますが何とか使えるかも知れません、しかし長期の使用は危険です、テスト程度の使用なら何とか大丈夫でしょう。
今度はEL34、KT88はどうでしょうか、この二つの球はヒーター電流が1本で1.5A流れます、(KT88は1.6A) 2本で3AそれにY7とX7合計で3.3A(3.5A)、これではとても耐えられません。使い続ければ短期間でヒーター巻き線が焼損するでしょう。
この様に電源トランスの巻き線容量が不明の時は定められた球以外は使わないほうが賢明です。

それでは本機の場合はどうでしょうか、サンスイ PT100はヒーター巻き線の容量が3Aと1.5Aがありますから、6L6GCと12AX7とは巻き線を分けて使っています、色々の真空管を使いたい場合はヒーター巻き線の電流容量が3A〜4A位あるトランスにして下さい。 3Aが2回路あればそれぞれに分けて使えます、4Aあれば1巻き線で供給できます。 (ノグチトランス PMC-150M、PMC-170MならOK)

それから製作するAMPにKT88や6550を使う予定が有る場合、この球は他の球よりひと回り太いですから真空管どうしが接近し過ぎないように配置や放熱を考えてください、管壁の温度が上がりすぎるとオーバーヒートします。(オーバーヒートすると、プレート損失が低下します) また電解コンデンサーにも近ずき過ぎないようにしてください、コンデンサーの寿命が短くなります。

左から6V6、5881、6L6GC、EL34、KT88(形は6550に似ている)


製作したAMPに上の写真の真空管を差し替えてテストしてみます。
まずはじめに出力管ソケットの1pinと8pinとを銅線で接続します、これで6V6、6L6GC、5881、6550、KT88、KT66などの球の他にEL34がが使用できる様になります。
一番心配されることはこれらの球を調整無しにそのまま差し替えて大丈夫か?と言う事ですが、電源トランスのヒーター電流に余裕があるなら 「全く大丈夫です」、AMPの設計が6V6ですから6L6GCや他の球は十分余裕があります、しかし逆の、6L6GCやEL34やKT88のAMPに6V6は使用できないと見たほうがよいでしょう、定格をオーバーすると思います。
6V6をEL34やKT88に変更した場合はカソード抵抗を調整しますが、本機はそこまでしなくても良いでしょう。 また負荷インピーダンスも真空管それぞれに違いますがそれも気にしなくても良いと思います。 (出カトランス1次側のインピーダンスは8KΩのままで良い)  どうしても最適値にしなければ気がすまないと言う方は思う存分調整をして下さい。

それでは電源トランスに余裕があるなら本機以外のAMPに大型の真空管を付けても大丈夫でしょうか?

6V6を他の出力管に変更可能と言うのは本機に限ってのことで、他のAMP全てが可能と言うことでは有りません。
理由は出力管のバイアス方式によります、本機の場合は出力管カソードに抵抗を付けた自己バイアス方式で、AMP自らが最適のバイアス値に設定されますが(必ず最適になるわけでは有りません)、 グリッドにマイナス電圧を与える固定バイアス方式では簡単に差し替えることは出来ません、差し替えた出力管それぞれが最適なプレート電流になるように調整しなければなりません。
出力段がP-P AMPですからペアー管を使います、ペアー管でなくても動作しますがアンバランスが生じます。(最大出力が低下する、トランスのインダクタンスが減少する、トランスが磁化されるなどの現象がおきます)
出力管を取り替えた場合、固定バイアスのAMPでは、それがペアー管であってもバイアス調整は必要です。

出力管を調整無しにそのまま差し替えて使用出来るのは自己バイアスのAMPに限ります。

話が長くなりました、出力管を替えた結果はどうなったでしょうか。 まず、どの球に差し替えても最大出力は変わりません、理由は出力管に掛ける電圧がみな同じで、流す電流もほとんど同じだからです。 大型の球に取り替えれば出力も大きくなりそうですがそうは行きませんでした。(出カUPは可能) でも音質は真空管それぞれに違います、特に出力管は音の変化が大きいでしょう。
見た目の格好良さを狙うなら6V6よりもKT88の方が良く見えます、脅しが効きます、大出カのAMPに見えます、黙って音を聞かせれば大出カに聞こえます。

整流管
整流管は5Y3GTを使っていますが、電源電圧を上げずに出カ管を差し替えるのであれば、5Y3GTのままでよいでしょう。 出力管を6L6GCやEL34、KT88に取り替えて電源電圧ももう少し上げるときは、5Y3GTをやめて5AR4に変更してください、そのまま差し替えてOKです。 整流管は発熱が激しいです放熱には注意してください。

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