実体図
お願い
実体配線図は気をつけて描きましたが間違いが有りました時はご容赦願います。
ヒーター配線は図では太線1本で描いて有りますが、2本の線をより合わせて配線しています。
シャシーの穴あけは上の図や写真を参考にして下さい。 各部品をシャシーの上に置いて穴の位置決めをします、トランスや真空管の穴が大き過ぎないように注意しながら開けて下さい、大きすぎたら取り返しがつきません。 シャシーをキャビネットの中に入れて逆さ吊りにする場合は、取り付け金具や取り付け方法をはじめから考えておいて下さい。
本機は使用部品がリストと違いますから、トランスの間隔やシャシー内部の部品の取り付けが実体図と異なります。 10uF/500Vの電解コンデンサーは昔のタイプで大型なのでこの様に付けました。 整流用ダイオードは写真ではブリッジになっていますが、電源トランスをPMC-55Fにした場合は、実体図の様な取り付け方法になります。
セメント抵抗1KΩ/10Wは発熱します、ダイオードや47uFのコンデンサーとあまり接近しない様に少し空間を空けて下さい。
配線はヒーターとアースから始めます、アースはアースポイントの所でシャシーに落とします、1点アースでは有りませんがハムやノイズはありません。 1点アースにする場合は、入出カジャックを絶縁タイプの物にして下さい。 ジャックのアースはアースポイントの所で落としてください。
1点アースとよく言いますが、1点にこだわる必要は有りません、信号の流れを理解していれば、複数箇所にアースを取ってもローノイズに出来ます。 リップルの大きい電源回路は、別にアースを取った方が良い場合もあります。 ノイズの大小、音質の良し悪しはアースだけで決まるわけでは有りません。
ヒーターとアース配線が終わりましたら次に入カ側からCRの取り付、配線をして行きます。 ラグ端子に複数のリード線を通して半田付けする時は、一度で半田付けが済む様に手順を考えながら作業して下さい。
プレートとグリッド回路は接近しないように注意して下さい、シールド線は使わなくても大丈夫です。
出カトランスの配線ケーブルを通す穴にはゴムブッシングを付けてケーブルがシャシーにこすれてビニール被服に傷が付かない様に注意して下さい。
確認
部品の取り付け、配線が終わりましたら間違いがないか何度も見直して下さい。 特に整流ダイオードの極性と電解コンデンサーの極性に間違いが無いか何度も確認して下さい。 (電解コンデンサーの極性が間違っていると破裂の危険があります) 真空管はまだ差し込まないで下さい、電源はまだ入れないで下さい。 間違いが無かったら、電源回路がショートしていないか確認します。
電源の47uFの両端にテスターをΩレンジにして当てます、この時テスターの針は右側に大きく振れた後に左側に戻ってくれば大丈夫です。 針の振れはレンジによって変わります、測定する時テスター棒の+と−を入れ替えて確認して下さい。
今度は真空管を差し込みます、音量VRは最小に、K-NFBスイッチはOFF側に、出カジャックには8Ωのダミー抵抗を差し込んで下さい。 オシロとミリバルがあればダミー抵抗の両端に接続しておいて下さい。
電源を入れます、煙が出たり焼ける匂いがしないかも注意して下さい。 安全の為にアンプに顔をあまり近付けない様にしてください。 B電源回路と真空管のプレートをテスターで当たり、電圧が出ているか確認して下さい、この時LEDやヒーターが点灯しているかも確認して下さい。
次に入カ端子に信号を入れアンプが正しく動作しているか、正しい波形が出ているか、音量VRを回したり、K-NFBスイッチをON、OFFして異常が無いか測定器(パソコンオシロでもOK)を使って確認します。 測定器が無い時は、ギターとスピーカーを繋ぎ正常に音が出るか確認して下さい。 この時ハムやノイズが出ていないかも確認します。 アンプが動作状態の時、K-NFBスイッチをON、OFFすると、スピーカーから”バチ”と言うノイズが出ますが大丈夫です。
K-NFBをONにすると発振する場合は出カトランス2次側の配線を入れ替えて下さい。 この時は電源プラグをコンセントから抜き、電解コンデンサーに溜まった電圧を放電してから作業して下さい。 詳しくはサービスノートのページを参照して下さい。
測定
最大出カ 3W、 入出カ特性はK-NFB無しの時、入カ80mVで出カ3W、 K-NFBありの時、入カ180mVで3Wでした。 残留ノイズはK-NFBありの時 0.8mV、K-NFBなしの時 1.2mV、 カソード負帰還量(K-NFB)は9dBでした。
残留ノイズをオシロで観測しましたら120Hzのリップル成分が僅かに残っていました。 B電源回路の電解コンデンサー (C5)47uF/450Vを100uF位にしても良いかもしれません。 (47uFのままでもハムやノイズは全く有りませんから、100uFにしても測定結果が少し良くなるだけですが・・・)
下のグラフは実測した周波数特性と歪率特性です。 100Hzは測定しませんでしたが、1KHzと10KHzは歪みのカーブがそろっていて好ましい特性です。 NFBを多く掛けたTrアンプの歪が、最大出カ付近で急激に増加するものと違い、私は好きな特性カーブです。 周波数特性も高域まで十分伸びています。 (Hi-Fi AMPでは有りませんから周波数特性や歪率カーブの形が良くてもしょうがありませんが)
小出カのアンプはスピーカーを選びます、どんなスピーカーでも鳴れば良いと言う訳では有りません。 このアンプに合ったスピーカーは必ず有るはずです、是非その様なスピーカーを相棒にして下さい。 アンプ、スピーカー、キャビネットの相性がピッタリ合った時に出る音は、きっと素晴らしいと思います。
もし好ましい音が出なくても、アンプやスピーカーの責任にしないで下さい、たまたま相性が悪くてくて貴方の好みに合わなかっただけですから。 スピーカーは能率の良い、できれば音圧レベルが94dB以上の物を使えば十分満足できる音量で鳴ります。
(2006/7/10)
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