自動車用Tr点火装置 シンクロスパーク


大昔、私は日産チェリー クーペと言う車に乗っていましたが、その車にトランジスター式の点火装置を取り付けようと思い、シンクロスパークを自作することにしました。 シンクロスパークは測定器で有名な三田無線が開発した自動車用の点火装置で、当時点火装置の中では最も性能が高い物でした。 友人の車と私の車に同じ物を2台作り、友人はこの点火装置を付けて約10万Km、私は約3万Km走行しましたがトラブルは一度もありませんでした。
シンクロスパークは点火エネルギーが大きいので燃焼効率が良くなり馬力アップする、燃費が向上する、コンタクトポイントの劣化が無くなる等と言われていましたが、ポイントの劣化が無くなるのははっきり確認できましたが、他はあまり良くわかりませんでした。



車を買い換える時に、点火装置を取り外して物置に放り込んだまま数10年が経ってしまいました。 先日物置の整理をしている時に発見しましたので、電源を繋いで見たところ何事も無く動作しました、本体からはピーと言う懐かしい発振音がしています。
写真にある高圧発生コイル(イグニッションコイル)は、何の車に使われていた物かは分かりません、物置の中に転がっていた物です。



写真は本体内部、左側に2個ある円筒形の物はMPコンデンサー、その右下の薄い空色の物はチョーク、一番右側が発振トランス。 発振トランスはコイルを手巻きして作りました。



下の写真左は実際に動作させて高圧を放電させているところ(矢印の所)、電極の間隔は約1.5cmです、放電音がバチバチ言って頼もしいです。 ここに30kV〜35kVが出ています。
右側の写真は三田無線からもらった資料。 チェリーに本機を取り付けた時に、タコメーターの振れがおかしいので質問の手紙を出しました。 三田無線から製品を購入せずにシンクロスパークと同じ物を自作し、会社の利益にもならないのに回答と一緒に大変詳しい資料を送ってくれました、今でも感謝しています。



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