太陽光発電 非常用照明装置

東海大地震が起きる確率は向こう30年間で90%近くあるという、その東海地方のド真ん中に住んでいます。
災害時には町中が停電をして家の中が真っ暗になってしまいます、懐中電灯を持っていても何十日間も点灯させることは出来ません、そこでソーラーパネルを取り付けて小規模な照明装置を作ることにしました。 大容量のソーラーパネルを付ければ良いのですがそんなお金はありませんから、小型で低価格の15Wタイプを購入します、後に10Wタイプも追加しました。 (手持ちの部材や中古のバッテリーを使用したので超低費用で出来上がりました) 二階の物干し場が真南を向いているのでそこに取り付けました。 ソーラーパネルはBSアンテナのベランダ取り付け金具を使って、Uボルトで鉄骨に締め付けています。

照明には消費電流の少ないLEDを使用します。 LEDランプは1灯(LED4〜6個)が白熱電球の10W〜20W位の明るさです、毎日点けている蛍光灯器具の明るさに比べればかなり暗く感じますが、細かな作業をするのでなければ不自由な程ではありません。 慣れればかなり明るく感じます、非常用としてなら十分だと思います。

(注) 本装置は災害時の非常用であり、平常時に毎日この照明だけを使って生活できるほどの明るさではありません。
私の家はボロイ家なので器具の設置等は全く気にせずに行いましたが、見栄えを気にするのでしたら、照明器具のデザインや配線方法を十分に検討してから行って下さい。



15Wソーラーパネルの発電量は1時間当たり0.9A、太陽が当たる時間を6時間とすると、0.9AX6時間=5.4A、発電効率50%として2.7A、LED照明を1日8時間点灯すると使用量の合計が2.598Aとなります。 (1日7時間点灯なら 2.286A)
ソーラーパネルが発電した電気はバッテリーに充電します、バッテリーは下の写真のような木製の箱を作りその中に入れています、箱の上部には隙間を開け、充電時に発生するガスを放出する様になっています。
バッテリーは過充電、過放電には弱いです、特に過放電は大きなダメージを与えますから注意しなければなりません、本装置は毎日2.6A位の充放電ですから、苦しい動作ではありません、ほとんど充電しない雨の日が5日間つずいたとしても、13A位の放電ですから大丈夫です。

チャージコントローラーは秋月電子のCM04-2.1を使いました、充電中は緑色のランプが点灯していますが、充電完了近くになるとLEDランプが点滅をはじめます、照明器具を8時間点灯しても快晴なら午後1〜2時頃には充電が完了します。  チャージコントローラーの下にあるのはスイッチBOX、4ヶ所の照明を4個のスイッチでON OFFしています。 本格的にはここに電圧計と電流計を付けて監視をしたい所ですが、そんな物はなくても大丈夫です。 本装置を使いはじめてから約5ヶ月間、故障やバッテリー上がりも無く順調に稼動しています。


下の写真はLEDの照明器具でセード部分は100円ショップの箱型プラスチックケースです、この中に 24灯のLED(OSPR02W1 秋月電子)が入っています。 12V/160mAで輝度が200ルーメンですが控えめの95mAで光らせました、少し発熱しますからアルミ板を付けて放熱をしています。 一番長くいる居間ですから、LED 24灯とコードペンダント2灯で他の部屋の3倍位明るくしました。


下の写真はLEDランプをコードペンダント風にして天井から吊るしたものです。 角型LED OSW443Z4E1Pを6個付けました、LEDには無理をさせず1個当たりの電流は10mA、合計60mAで使っています。
セード部分は良さそうな物がないので紙を丸めて付けました、カップラーメンの器が軽くて丁度良さそうですが、器の周りにXXラーメンなどと印刷されていますから、ダサいランプが余計にダサくなってしまいます。 右側の写真はランプ部分、穴あき基板を小さく切りそこにLEDを半田付けしています。 光が直接見えない様下側に半透明のプラスチック板を取り付けました。


天井直付けのランプは角型LED OSW443Z4E1Pを4個から6個、小さな基板に半田付けし、それを板切れにネジ留めします。 丸いカバーはゼリー菓子の入れ物を使いました、もう少し小さい方が良ければ、モズク(海草)の入れ物でも良いでしょう。 スーパーマーケットの食品売り場で探せば丁度良さそうな物が見つかります。 外観を気にするのでしたら、100円ショップに良さそうな物が沢山ありますから、気に入った形のものを取り付けて下さい、この形のLEDランプを4個作り4箇所の部屋に取り付けています。 ケーブルは1.25mm 平行2線を使用し配線は天井裏に通しました。


下の写真は100円ショップの小型懐中電灯を使用した常夜灯です、懐中電灯1灯当たり約3Vですから3個直列にして12Vを加えています。 本体の後部に小さな穴を開け細いケーブルを通してLED基板に半田付けしています、写真には1灯しか写っていませんが3灯付いています。 ランプの取り付けは、これも100円ショップで購入した、少し大き目の洗濯バサミを写真の様に挟んで付けました。 全電流は17mAしか流していませんが、もう少し明るくしたいのなら、電流を25〜30mAに増やしても良いと思います、これを毎日14時間位点けています。




かなり以前に購入し使い道の無かった、シャープのソーラーパネル0.5W型 NT-202 動作電圧 17V、動作電流 30mA 、逆流防止ダイオード付き、価格6980円 (上の写真 左)を常夜灯の発電用に使いました。 バッテリーにダイソーの単三ニッケル水素電池を使用しています、LEDへの電流は8.3mAしか流していませんから明るくはありません、ローソク2本分位の明るさですが真っ暗闇の思いをすれば上等です。 毎日消費した分だけ充電を繰り返しますから、メモリー効果の心配がありますが、極少量の充放電ですから大丈夫です。 電流を多く流して照明を明るくすると、毎日の放電量が増えて電池への充電量が足りなくなりますから、むやみに明るくはできません。 本機も毎日10時間位、現在までに約5ヶ月間点灯させています。


15W型ソーラーパネルの使用量が一杯になってしまったので、もう一つ10W型のパネルを追加しました。 こちらはLED照明とラジオを使用します、シガレットソケットも取り付けて、DC-ACインバーターも使える様にしました。 同じバッテリーが2台あるので、差し込みプラグを付けて、どちら側にでも充電できる様にしています。 現在ラジオは使わず照明だけを点けているので、午前11時頃にはチャージコントローラーのLEDが充電完了を示す点滅をはじめています。  使用バッテリーは38B19で28Aタイプを使いました。

10Wソーラーパネルの発電量は 0.59AX6時間=3.54A、発電効率50%として1.77A、LEDの消費電流は8時間点灯で880mA、ラジオの消費電流は 50mAX10時間=500mA、1日の消費電流の合計は1.38Aになります。

本装置はソーラーパネルで発電した電力量と、LED照明器具で消費する電力量がバランスしています。 別の照明器具や別の機器を接続して、もっと多くの電気を使おうとすると、ソーラーパネルからの発電量が足りなくなります、その様な場合はもっと大きなソーラーパネルに取替えなければなりません。



トランジスターラジオは電池専用のものでなく、6V〜9VのACアダプターでも使える様なタイプが良いと思います。 ACアダプターを100Vで使ったのでは、12VをDC-ACインバーターで100Vに変換しなければならず効率が悪くなりますから、バッテリーの12Vを三端子レギュレーターで6Vまたは9Vに変換しラジオに加えます、(電圧はラジオの使用電圧に合わせて下さい。 回路図参照) 7809には小さな放熱板を付けました。


おまけ  長時間使用出来るLED電気スタンド

ニッケル水素単三電池3本を使用したLED電気スタンドも製作してみました。 写真の様なプラスチックケースの中に電池を入れ、LEDとスイッチと充電端子をつければ出来上がりです。 LEDは常夜灯に使った小型懐中電灯のLED基板を外し、ペットボトルのふたの中に押し込んであります。 明るさを2段切り替えにして長時間使用出来る様にしました、少し暗め(と言っても結構明るい)の時は毎日6時間点灯で7日間くらい使用出来ます。 明る目に切り替えた時は、毎日6時間点灯で4日間位使用出来ます。 電池が無くなったらバッテリーから充電します、充電時間は10時間位です、満充電になった時の停止回路がありませんから、長時間充電をしない様に注意が必要です。 充電用電池をもっと大容量にすればもっと長時間点灯させることが出来ます。
(注)  充電時間によっては点灯時間が短くなる場合があります。



おまけ 2  長期間使用できるLED補助ランプ

単一乾電池2本を使ったどこにでも使える補助灯を紹介します。 LEDは常夜灯に使用した小型懐中電灯です、消費電流が少ないですから長期間使えます。 電池は充電式ではありませんから、電池切れになったら取替えなければなりません、一回の使用時間が少ない洗面所やトイレなどに設置すると良いでしょう。





(注) LEDにはばらつきがあります、同じ様に製作しても明るさや色合いや点灯時間が異なる場合があります。
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(2011/11/10)

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