真空管オーバードライブAMP 改良版 サービスノート 

真空管オーバードライブAMP <OD-V1A>を製作したが音が出ない、調子が悪いと言う時に見て頂くページです。

音が出ない、動作がおかしいと言う様なとき、ただ闇雲に部品を取替えたり半田付けをやり直してみても直らないかもしれません、入力側から信号の流れに沿って調べて行くのが故障発見の近道です。  出力側から調べる方法もありますが、今回は入力側から調べる説明をします。

用意するもの
1)  テスター ・・・・・・・・・・・・・・ アナログ、デジタルのどちらでもOKです。
2)  信号の出るもの ・・・・・・・・ 発振器またはCDやラジカセでもOK
3)  VR回路 ・・・・・・・・・・・・・・・下の図1のVR回路を作って下さい。
4)  シグナル トレーサー ・・・・パソコンオシロアダプターまたは下の写真の物でOKです。
5)  クリスタルイヤホン ・・・・・・シグナル トレーサーで使います。
6)  接続ケーブル、各種

      図1 VR回路           図1のVR回路を組み立てた物       シグナル トレーサー


VR回路はなぜ必要か?
信号はラジカセのイヤホン端子からもらう様にしていますが、信号の出カが大きすぎますので、VR回路を通してAMPやエフェクターに入力するのに丁度良い大きさの信号に調整しています、アッテネーター(減衰器)の代わりです。 発振器とアッテネーターが有るならこのVR回路は要りません。

発振器または、ラジカセのイヤホン端子と、図1のVR回路をケーブルで接続します。
発振器または、ラジカセから音(音楽でも信号音でもOK)を出します、音の大きさは適当に、VR回路のボリュームで調整する、あまり大きくしない。
ラジカセ+VR回路+エフェクターを下図の様に接続してください。




音が出ない、または故障してしまったと言う時、最初にACアダプターの電圧が正しく出ているか確認します。 ACアダプターがOKでしたら次に三端子レギュレーター7812のOUT側にDC12Vが出ているかテスターで確認します、もしDC12Vが出ていなければ7812の不良またはDCジャックの半田付け不良を疑ってください。
電源回路がOKでしたら次に真空管のヒーターが点灯しているか確認してください、明るい所ですと点灯しているのが見え難いかもしれません、ヒーターの点火が確認できましたら次に予備の真空管がある時は取り替えて音が出るか確認します、無い時は次に進みます。

シグナルトレーサーのみの虫クリップをOD-V1Aのアースにはさみます、OD-V1Aの電源を入れます、シグナルトレーサーの針先をA点に当てて音が出るのを確認します。 ここで音が出なければこれより前のフットスイッチの配線間違えか入力ジャックの配線間違えまたは半田付け不良を疑います。
A点で音が確認出来ましたら次にB点で音が出るか確認します。 ここで音が出ない時はB点の電圧をテスターで測ります、B点の電圧は7.9V位出ていれば正常だと思われます、電圧が出ていなければドレイン抵抗2KΩの断線を疑います。 電圧は出ているが異常に低い場合はFETの不良かもしれません、また電圧が異常に高い(12V位ある)時はFETの半田付け不良、またはソース抵抗270Ωの断線または半田付け不良の可能性があります。 C点の電圧は0.56V位です。

B点までOKでしたら次にD点にシグナルトレーサーの針先を当てて音が出るのを確認します。 ここに音が出なければD点に電圧が出ているかテスターで確認します、D点の電圧は5V位あれば正常です。 (DIST VR中間で測定) もし電圧が出なければプレート抵抗47KΩの断線を疑います、電圧が異常に低い場合は真空管不良かも知れません、また異常に電圧が高い時はDIST VRの半田付け不良の可能性があります。 E点の電圧は0.3V位です。(DIST VR中間)

D点までOKでしたら次はF点で音が出るか確認します、音が出なければF点の電圧をテスターで測ります、F点の電圧は5.4V位です。 F点の電圧が異常に低い時は真空管不良の可能性があります。 F点で音が確認出来たら次はG点にシグナルトレーサーの針先を当てて音が出るか確認します、もし音が出なければF点からG点までの間を調べます、VRやフットスイッチの配線間違いかも知れません、また半田付け不良の可能性もあります。
G点で音が出てAMPをつなぐと音が出ないと言う時は、出カジャックの半田付け不良、または接続ケーブルの不良を疑います。


ザーと言うノイズがうるさい位に大きい
普通に作っていただければノイズは全く出ないと思います、それでもザーと言うノイズが大きい場合は入力の1MΩ、ドレイン抵抗の2KΩ、真空管のグリッド抵抗10KΩ、プレート抵抗47KΩを疑って下さい。 カーボン抵抗を使用しているならローノイズの金属皮膜抵抗に取り替えて見てください、 また予備の真空管が有るなら真空管も取替えて見てください。

ブーンと言うハム音が出る
ACアダプターの電流容量が少ないと電圧降下が大きくなり、レギュレーター 7812でリップル除去できずハム音が出ます、電流容量が300mA以上のアダプターにして下さい。 ヒーターは直流点火ですからヒーターハムは無いと思いますが、予備の真空管があれば取り替えて見て下さい。 またアースが確実に取れているか(しっかりシャシーにアースされているか)確認して下さい。

発振する
発振する場合、一番危ないのは入力と出カが接近して接続されているフットスイッチの所です、6pinのスイッチを使っている時は9pinの物に取り替えることを薦めます、9pinの内の真ん中の端子をLEDのON、OFFに使いシールドの代わりをさせて下さい。 また入力ジャックとフットスイッチ間のケーブルをシールド線にするのも良いと思います。     (2005/10/10)

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