BOSS SD-1 レポート

BOSS SD-1はOD-1と音質が極めて良く似ていると言うことなので、データーを取って比較してみます。 OD-1はもう製造していませんのでプレミアムが付いて高価ですが、SD-1は現行商品なので入手は簡単にできます。
それぞれの回路図を見比べるとSD-1にはTONE回路が付いている以外、細かな所にわずかな違いはあるものの、かなり良く似た回路で、ほとんど同じと言っても良いくらいです。回路図に書かれたTrやICも同じ型番です。
手許にあるSD-1は台湾製で、中を見ると基板に付いているTrは2SC2240、ICはJRC4558DDでした。(これはオークションで中古品を購入した)


電源電圧      9V
増幅率       80倍 (f=800Hz 各VR最大)
周波数特性    140Hz〜2.5KHz (-6dB TONE 中間)
残留ノイズ     0.05mV (入力ショート、TONE中間、各VR最大)


増幅率はDRIVE VRとTONE VRの回転確度で変わります。
増幅率はOD-1より少し多めです、周波数特性も若干低域よりになっています、残留ノイズは0.05mVですから、かなり優秀です。
下の写真は、周波数800Hz、入力50mV、TONE中間、DRIVE VR最小の時のもので波形は歪んではいません、右の写真はこのままDRIVE VRを最大(右一杯)にした時でOD-1と同じノコギリ波です。



本機もDRIVE VRを最小にした時(ブースターとして使う時)、どれ位の入力電圧で歪みはじめるのか調べて見ました所、130mV位から歪みはじめました。(写真下  f=800Hz)



今度は周波数を変えてみます、下の写真 左は入力10mV、300Hzの出力波形でTONE VRを最小にした時のもので、サイン波形とノコギリ波の中間位の波形です、写真 中はTONE VRを中間(12時)にした時のもので、波形は上下非対称になっています。 OD-1では波形の上側が先にクリップを始めますが、SD-1では下側が先にクリップを始めています、これはICの二段目がOD-1は反転回路ですが、SD-1は非反転回路になっているからです。 写真 右はTONE VRを最大にした時のものでノコギリ波と矩形波の中間の様な形です。
TONE VRを中間(12時)にして入力電圧を上げていったところ80mV位までは非対称波形を保っていましたが、それ以上ではノコギリ波に近ずいて行きます。 この状態のまま周波数を上げて行くと1KHz位まではノコギリ波に近い波形ですが、3KHzまで周波数を上げたところ、ほとんど三角波になっていました。(DRIVE VR最大)

 左 TONE 最小          中 TONE 中間         右 TONE 最大

左 周波数800Hz          右 三角波、周波数3KHz


下は周波数特性のグラフです、TONE VR中間、DRIVE VRとLEVEL VRは最大で測定しました。
OD-1のグラフと比較して低域側が少し伸びていますが良く似ています。



今回もスペクトラム波形を載せました、測定条件はOD-1と同じです。
 上の波形はSD-1、ICはJRC4558DD

 上の波形はOD-1、ICはJRC4558D、 シリアルNo,2103B

上の波形は前回測定したOD-1のものです、SD-1の波形と比較するために載せました、ICはJRC4558DDとJRC4558Dの違いはありますが非常に良く似ています。

SD-1はTONE VRが付いているので、OD-1よりも複雑な音を出すことが出来ますし、OD-1とよく似た(ほとんど同じ)音をだすことも出来ると思います。BOSS社がOD-1の復刻版を出さない理由が解かるような気がします。
(2004/02/15)

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