回路図について

回路図は道路地図に似ています、道順を他の人に教える時、写真に撮った様に正確に紙に描いたりはしません、鉛筆で描いた線に橋を描いたり、家を描いたりするだけで目的地を教えることが出来ます。 地図は無数のマークや目印があって、そのひとつ々を覚えるのは大変ですが、回路図は最初に10個位の部品を覚えれば何とかなります、その後必要な物を少しずつ覚えて行けば良いと思います。 回路図は部品と部品を線でつないで描いているだけです。


コンデンサーの .1は0.1uF、 .47は0.47uFです。


上の左側の回路図を絵に描いた物が中の図です、そして部品を使って組み立てたものが右側の写真です。 プリント基板に組む時も始めはこの絵や写真の様に取り付ければ良いでしょう、組み立てになれて来たらもう少し小さな基板に組むようにすれば良いと思います。 複雑そうに見える回路図も、これの繰り返しです。

上の回路はFETを別の型番に替えれば増幅率が変わります、例えば2SK-30AGRと2SK-117GRという様にです、全く同じ回路で、バッファーAMPになれば、ブースターにもなるし、オーバードライブAMPにもなります、また、入出力のコンデンサーを変えたり加えたりすることで、バスブースターにもなるし、トレブルブースターにもなります。 これはFETもトランジスターも真空管も全く同じです。
また、もっと大きく増幅したいと言う時は、同じ回路をもう一つ繋げばOKです、あれこれ悩む前にとりあえず作って見ることです、うまく行かなければその時考えれば良いのです。 回路を組む決め事などは作って行くうちに覚えます、解からないことを調べる手段はいくらでもあります、インターネットで詳しい情報がいくらでも入手できます。昔は図書館に行ったり書店にいったり、またそれらしい本を注文したり、時間もお金も沢山かかりました。


FETのソースに付いている47uFの電解コンデンサーの極性は?
アース側から見て電圧の高い方がプラス、低い方がマイナスになるように接続すれば良いです。 この場合はソース側がプラス、アース側がマイナスになります。

入カと出カ側のコンデンサーの値はどうして決めているのか?
これはどれ位の周波数を通過させるかで決めます。 上図入カ側の0.1uFは1.59Hz以上の信号が通過できます、(エフェクターではもっと小さな値のものでOK) このコンデンサーを10uFにしたら0.0159Hzの信号が通過できますが、エフェクターなどではそんな信号は必要ありませんから、ここに10uFという大きな値のものは適当でないことが解ります、(FETとTrでは入力インピーダンスの関係でコンデンサーの容量が変わります) 出カ側のコンデンサーも次につながるAMPの入カ抵抗で周波数が決定しますが、その辺の説明は回路設計になってしまい「必ずできる・・・」から外れてしまいます。 もっと詳しく知りたいと言う場合は専門書を読まれることを薦めます。


部品について
エフェクターやAMPを製作する時抵抗やコンデンサーを使いますが、指定された抵抗が金属皮膜抵抗の所にカーボン抵抗やソリッド抵抗を使ったとしても動作が変わるわけではありません、みな正常に動作します。 厳密に言えば音質がわずかに変わったりノイズの違いがあったりしますがこれらはほんの少しの違いです。

コンデンサーの場合も同じです、タンタルコンデンサーの所に電解コンデンサーを使っても、またフィルムコンデンサーの指定の所にセラミックコンデンサーを使っても全く大丈夫です。
回路図で指定された部品は設計者がそれが良いと思ったから指定しただけで、製作者は手持ちの部品や自分の考えで別の種類にしても良いのです。 ただし抵抗のワット数やコンデンサーの耐圧は指定された以上のものを使用しなければなりません。

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