パワーAMPの出力測定
製作したパワーAMPがどれ位の出力が出ているのか測定をしてみます。 設計した位の出カが出ていればパワーAMPは正常に動作しているものと思われます。 用意する物は
1) テスター-------------デジタルでもアナログでも良いです。(ミリボルトメーターがあればもっと良い)
2) 正弦波発振器--------これは300〜500Hz位の周波数が出る物、または、この周波数を録音したCDやカセットでもOKです。
3) ダミー抵抗-----------8Ω/10Wのセメント抵抗を1本用意します、下のダミー抵抗回路を写真の様に作って下さい。
4) VR回路--------------これは、エフェクターサービスノートの時に製作する同じ物です。
5) 電卓----------------出カの計算に使います。
6) 接続ケーブル--------マイクプラグやpinプラグの付いた物を各種用意してください。
信号源にカセットテープを使う場合、300Hz〜500Hz位の周波数の正弦波(サイン波)を10分間くらい連続して録音して下さい。 またWaveGeneの信号を使用しても良いと思います。
電圧測定にテスターを使う場合、高い周波数を測定をすると大きな誤差を生じます。理由はテスターの周波数特性が悪いからです、しかし500Hz以下なら大きな誤差が無く測定できると思います。周波数特性はテスターによって違います。
内部抵抗の低いテスターの測定でもパワーAMPの出力インピーダンスは、非常に低いですから心配は要りません。
1) 上図の様に各機器を接続して下さい。 ダミー抵抗回路のOUT端子とパソコンを接続します。
2) パワーAMPの電源はまだ切りにしておきます。 音量VRは最小にしておきます。
3) パソコンにWaveSpectraを起動してオシロスコープ画面を表示させます。
WaveSpectraの起動はパソコンオシロ アダプターの製作のページを参照してください。
4) パワーAMPの音量VRが最小になっているか確認をしてからパワーAMPの電源を入れます。
5) パソコンオシロの画面を監視しながらVR回路のVRとAMPの音量VRを調整してサイン波形がクリップする寸前の波形になるようにします。 この時が最大出力になります。
大体この様な波形になります。 パソコンで測定中の写真
5) この時の出カ電圧(8Ω/10Wのダミー抵抗の両端)をテスターのAC(交流)レンジで何ボルトか測ります。 AC5Vが出ていたら出カは約3.1W(3.125W)になります、またAC6Vが出ていたら4.5Wの出力になります。 測定中はダミー抵抗が発熱します。
AMPの出力計算は P=E*E/R (P=出力 E=ダミー抵抗の両端の電圧 R=8Ω)
6) 測定が終わりましたらパワーAMPのVRを最小にしておくか、電源スイッチを切ってください。
最大出カにしたままにして置くと、ダミー抵抗が高温になって危険です。
フェンダー ツイードデラックス等の出力が10W以上出るAMPは、10Wのダミー抵抗では容量が少な過ぎます、AMPを最大出カにした時、ダミー抵抗が急激に発熱します、測定は10秒以内で済ませて下さい。 容量が50W位のダミー抵抗にすることを薦めます。
50W、70W ダミー抵抗の製作
8Ω/50Wダミー抵抗
上図は50W型のダミー抵抗です。 40Ω/10Wのセメント抵抗が5本有れば丁度良いのですが、有りませんので、39Ω/10Wを4本と47Ω/10Wを1本並列にして8Ωにしました。
8Ω/70Wダミー抵抗
上図は56Ω/10Wのセメント抵抗を7本並列にして8Ω/70W型にしたダミー抵抗です、10W以上のAMPにつなぐのでしたら50W型か70W型のどちらかを使用した方が良いと思います。 VR 100Ωと1KΩ/1Wの抵抗はパソコンオシロで波形を観測するときに使うものですから、普通のオシロスコープを使用する場合は、このVRと1KΩはなくても良いでしょう。
回路図の下がアース側になります。VRがホット側になるとアツテネーターの役目をしません。
20W型で良いのなら16Ω/10Wを2本並列で、8Ω/20Wになります。 セメント抵抗を組み合わせなくても、8Ω/50Wのメタルクラッド抵抗1本有ればそれを使っても良いと思います。
本格的には無誘導型の抵抗を使いますが、そこまでしなくても良いと思います。
(2006/05/10)
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