TONE付きオーバードライブ、ディストーションの製作  < OD-FF3.0-TO >

今月号は3月に発表しましたフットスイッチ回路を使い、TONEもつけたオーバードライブ、ディストーションを製作します。


アルミケースは、以前製作したOD-FF1の回路を取り外して作り直しました。 基板取り付け用のネジ穴は、空いている穴をそのまま使いましたので、基板の配置が斜めになっていてあまり格好が良くありません。
写真左側の基板がFET二段増幅の基板で、右側斜めの基板がTONE回路とソースフォロアーの載った基板です。 基板の上の青色のコンデンサーが1uFです。 アースは入出カジャックの端子の所でシャシーにアースしています。

LEDの取り付けは小さな基板にLEDを半田付けし、その基板を接着剤でシャシーに貼り付けています。
ケースがもう少し大きければ、穴あき万能基板一枚に回路が全部載りますから、見た目もすっきりして配線間違いも起こり難いと思います。
電池は単四型を使いましたが、取り付けスペースが有るなら単三型の方が良いでしょう。


        < OD-FF3.0-TO >

電源電圧     3V
増幅率      30倍
残留ノイズ    0.01mV (入力ショート、DIST、TONE VR中間、LEVLE VR最大)

回路説明
初段、二段目はOD-FF1.5-IIと全く同じ回路ですが、電圧を3Vにしましたので、初段のソース抵抗を390Ωに変更しました。 このソース抵抗とパラに入っているバイパスコンデンサー(100uF)は、TONE回路を付けましたので、低域特性を良好にするために、少し大きめの物にしてあります。
DIST VRは今回は300Ωを使いました。 このVRで信号の上下のどちら側でもクリップさせることが出来ます。

今回は、パソコン オシロでソース抵抗の調整をしてみました。下のオシロの波形を見ましても、クリップの状態がはっきり解かりますからスムーズに調整できました。



ゲインは初段と二段目の回路で約100倍増幅していますが、TONE回路でかなり減衰しますので、トータルでは約30倍になりました。 もっと過激に歪ませたいのなら、初段または二段目のFETを2SK-369GRに取り替えれば良いでしょう。

TONE回路は簡易型ですので3VRの様には効きません、100Hzで+5.5dB、5KHzで+7dB位になります。 VRは回路図下の6800pF側へ回すとHi、回路図上の0.01uF側へ回すとLoにブーストされます。 なお、TONE VRは必ずB型を使用して下さい、VR中央(12時)の位置で高低域がほぼバランスしています。

TONEを出た後にソースフォロアーを付け出力インピーダンスを下げています。 この後にあるスイッチ回路は、以前説明した動作をさせLEDをON、OFFしています(良好に動作しています)。 LEDの電流制限用抵抗は小さな値にすると明るくなりますが、その分電池の消耗が激しいですから、あまり小さな抵抗値にしない方が良いでしょう。
LEVEL VRには僅かに電流が流れますが、それを嫌うのならLEVEL VRの後にコンデンサーを入れてください。
(2004/05/15)


3VR TONE付きオーバードライブ、ディストーションの製作  < OD-FF3.0-3TO >

前回のOD-FF3.0-TOの回路はそのままに、TONE回路をTre、Bass、Midの3VRに変更しました。
TONE回路はFENDERを参考にしましたが、FENDERと同じ定数にしますと、損失が大きすぎて、電源電圧が3Vではパワーアンプによっては、フルパワーに達しない物があるかもしれませんので、損失の少ない定数に変更しています。
それでもまだ出力電圧が足りない時は、電源電圧を上げて下さい、その場合、FETのドレイン抵抗や、ソース抵抗は再調整が必要です、またLED点灯回路も変更して下さい。(設計のやり直しが必要です)

終段はソースフォロアーで増幅していませんが、初段と二段目で約100倍増幅していますので、TONE回路で少し位減衰しても問題ありません。 終段で増幅しますと、既に歪ませた信号を、また歪ませることになります。 しかし、エフェクターは何でも有りですから、終段でもう一度増幅して、また歪ませても良いかもしれません。


        < OD-FF3.0-3TO > 

TONE回路は、C4が3000pF、C5が0.47uF、C6が0.1uFですが、この定数が最適で無いかも知れません、各コンデンサーを少しずつ変化させても周波数特性が変わって面白いです。 この辺は、使用する機器の相性や音の好みで替えてください。 また、使用するコンデンサーは、マイカ、スチロール、フィルム タイプが良いでしょう。 使用したVRはFENDERの指定どうり、TreとBassはA型、MidはB型を使いました。

下の特性図は、3000pF、0.47uF、0.1uF、をシュミレーションしたものです。




オーバードライブ、ディストーション < OD-FF3.0 >

TONEはいらないがLEDを付けてフットスイッチで切り替えをしたいという方に、もう一つ回路を紹介します。
回路はOD-FF3.0-3TOと全く同じですが、LEVEL VR 5KΩの前に6.8KΩを入れて出力電圧を調整しています、この抵抗が無いと、出力電圧が0.7V以上で波形の上側がクリップします。 クリップをしても別に問題はありませんが、既にクリップをした波形を、またクリップをさせる必要もありませんのでこの様にしました。

LEDの明るさを調整している3KΩの抵抗ですが、LEDによっては調整を要します、見やすい明るさに抵抗値を決めてください。
このLEDとフット スイッチ回路は、”その他の回路”の中のフットスイッチ回路の説明を参照してください。


(2004/06/15)



小容量カップリングコンデンサーの ODアンプ   < OD-FF3.0-PF >


以前製作したOD-FF3.0のカップリングコンデンサーを思い切り小さな値のものにしてみました。 こうすることにより、マイカやスチコンなど大容量のものが無いコンデンサーでも使えるようになりました。
小容量のコンデンサーの音はどんな音でしょうか? 個性の強い音になるのでしょうか?

 マイカコンデンサー               スチロールコンデンサー

マイカコンデンサーは左の四角のものがビンテージ物、スチロールコンデンサーはチュウブラ型で耐圧の高いものは、1970〜80年代の物が多い。


           < OD-FF3.0-PF >

とりあえずR4は5MΩで計算します、あまり高抵抗にしますとノイズ等に弱くなりますから・・・
R4が5MΩ、C1を300pFにしますと、低域のカットオフ周波数(fc)は106Hzとなり、C1を750pFにするとfcは42.4Hzになります。

R4をもう少し小さく、1MΩにしたら
C1=750pF-----212Hz
C1=1000pF----159Hz
C1=3000pF----53Hz  この様な周波数になります。

出力側の1uFのコンデンサーも、もう少し小さくして0.1uFにすると、ここのfcは135Hzになりますから、(次に繋げるAMPの入力インピーダンスでfcは変わります) 違う容量や違う種類のコンデンサーを色々組み合わせて見ると面白いと思います。

実際に製作して、音出しをしていませんので、このAMPがどの様な音が出るか解かりません。  ゴメン
(2004/11/03)


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