高電圧真空管回路用シグナルトレーサーの製作
故障した(音が出ない)真空管AMPやエフェクターを調べる時にシグナルトレーサーを使うと簡単に故障箇所を発見することが出来ますが、真空管用とTr用では回路は同じでも使用するコンデンサーの耐圧が全く違います。 今回は簡単な高電圧真空管用シグナルトレーサーを作ります。 高電圧用の物を作っておけば低電圧の回路でも使えます。
最初にプローブから作って行きます。
プローブは手に持って使いますから絶縁された物を使います、針先は直接真空管のプレートに接触させますから耐圧の高いコンデンサーを使います。 使用するのはフィルムコンデンサーの0.1uFで耐圧は600Vが良いと思います。
プローブのケースに何か使えそうな物は無いか色々探しましたら、お菓子売り場に良さそうな物がありました。 買ったのは下の写真のお菓子で、プラスチックの丸い筒型の中にラムネ菓子のような物が入っています、名前は”Kabaya ジューC”と言うものです、イチゴ味とグレープ味がありましたので、イチゴ味を買いました。
まず、お菓子を全部食べてしまいます。次に1mm位の銅線を5cm位に切り 0.1uF /600Vのコンデンサーに半田付けします。コンデンサーは手持ちにチューブラ型(筒型の両端にリード線が出ているタイプ)が有りましたのでそれを使いました。 コンデンサーのもう片側にはシールド線を半田付けします、その時シールドの芯線だけを使い編線は使用しませんから芯線に接触しないように切った後に熱収縮チューブを被せて絶縁しておきます。 (写真参照)
シールド線は60cm位の長さがあれば良いでしょう。 シールド線の反対側には、pinプラグを付けます、pinプラグにはみの虫クリップの付いたアース線を出しておきます。
次に赤色のキャップの中心に1mmより少し小さな穴を開けここに先ほどコンデンサーに半田付けをした銅線を通します、銅線が中に押し込まれてしまわないように少し曲がりを付けます。
プローブ部分 この様に接続して使用する
プローブが出来ましたら次に真空管用のシグナルトレーサーを作ります。
高電圧真空管用シグナルトレーサー
部品はpinジャックとコンデンサーと100kΩのVRとイヤホンジャックだけです。 入力に0.1uF/600Vのコンデンサーが付いていますが、プローブにも同じコンデンサーがついているので無駄の様ですが、安全のつもりで付けました。 100KΩのVRはイヤホンの音量調節用です。
入力はプローブを接続しますのでpinジャックにします。 出力はイヤホンをつなぎますからイヤホンジャックにして下さい。 イヤホンはクリスタル型を使います。
本機は穴あき基板に組んでケースには入れていませんが、頻繁には使いませんからこれでも良いでしょう。 ケースに入れて測定器らしくするのも良いかもしれません。
下図は小型のケースにVR回路とシグナルトレーサーを一緒に入れて少し格好良く見せる様に画にしてみました、左側が前面、右側が内部の配線ですが、この様な感じに作っても良いと思います、ケースはプラスチック製が良いでしょう。
(2006/04/10)
前面 裏側 (内部)
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