フェンダー ブラックフェース サービスノート
ブラックフェースを製作したが音が出ない、調子が悪い、故障してしまったと言うときに見ていただくページです。
用意する物は
1) テスター-------------デジタルでもアナログでも良いです。
2) ラジカセ-------------発振器の代わりです、信号は音楽でも発振音でもOKです。
3) ダミー抵抗-----------8Ω/10Wのダミー抵抗を用意します。パワーAMPの出カ測定のページを参照してください。
4) VR回路--------------これは、真空管オーバードライブAMP サービスノートの時に製作する同じ物です。
5) 接続ケーブル--------マイクプラグやpinプラグの付いた物を各種用意してください。
6) 高電圧真空管回路用シグナルトレーサー
始めに下図の様に接続して下さい。
音が出ないまたは調子が悪いという時、まずはじめに出カ管のプレートが赤熱していないか確かめて下さい、赤熱したままにしておくと出カ管や出カトランスを傷めてしまいます、もしプレートが赤熱していたらすぐに電源スイッチを切って下さい。 このような時は下の「出カ管グリッドにマイナス電圧が出ない」の所を参照してください。
プレートの赤熱はヒーターが点火して光っているものとは違います、真空管に大きな電流が流れプレートが異常に高温になった為に真っ赤になった状態を指します。 金属に焼き入れをする時、金属が高熱で真っ赤になったあの状態です。 下の真空管の写真の黒い電極がプレートです。
出カ管グリッドにマイナス電圧が出ない
AMPの調整の所で、出カ管(6V6GT)のグリッド(5pin)をテスターで当りマイナス電圧が出ていることを確認しますが、この時マイナス電圧が出ていなければこれより先に進んではいけません。
はじめに全部の真空管を取り外します、
次にダイオード(D2)が正しい向きに取り付けてあるか確認します、確認出来たらAMPの電源を入れダイオードのアノード側にテスターを当てマイナス電圧が出ているか確認します。 ここにプラス電圧が出ている時は、ダイオードの取り付け向きが間違っています。 また全く電圧が出ないと言うときは、ダイオードの断線、または半田付け不良です。 他にダイオードが短絡(ショート)していないかも確認して下さい。
マイナス電圧は出るが高い電圧が出てVRで調整できないという時はVR5と直列につながっている10KΩの断線、または半田付け不良を疑ってください。 マイナス電圧が少し低い場合はR30 6.2kΩの抵抗値を調整して下さい。
バイアス回路の電解コンデンサーはプラス側がアースされています、配線間違いの無いように何度も確認して下さい。
マイナス電圧が正常に出る様になりましたら、出カ管に流す電流の調整をします、調整は ”バイアス調整” の所を参照して下さい。 グリッドにマイナス何ボルト掛かれば正常でなくて、カソードに何十mA流れれば正常と言うようにします。
マイナス電圧は正常に出る、B電圧や各プレートにも電圧が出ているが音が出ない、小さい、調子が悪い場合は、入力側から順にシグナルトレーサーで信号を追いかけながら調べて下さい、他のサービスノートも参照して下さい。 シグナルトレーサーは必ず高電圧用を使用して下さい、出カ管プレートは350V位の電圧が掛かっていますショートや感電事故が無いように注意して下さい。
故障箇所を発見し修理が完了しましたら、AMPが正常に動作しているか (正しい波形が出ているか) 確認をして下さい。 また各部の電圧が正しく掛かっていることも確認して下さい、10%位の電圧差なら大体OKです。
ノイズが出る、ハムが出る アンプの入カには何も接続しないで調べて下さい。
アースが確実に取れているか確認して下さい。 スペアーの真空管があるなら真空管も取り替えて見てください。 線の引き回しが実体図や写真と大きく違っていないか調べて下さい。 他のサービスノートのページも参照して下さい。
発振する
音量VRを最小にしてもダミー抵抗8Ωの両端に数V〜10V位のAC電圧が出る、スピーカーを接続すると発振音がするという時は、負帰還(NFB)でなくて正帰還(PFB)になっている可能性があります。 最初に出カトランス2次側の負帰還抵抗820Ωの片側を外して発振が止まるか確かめて下さい、発振が止まれば正帰還になっていますから、出カトランス1次側の巻き線P1、P2を下図の様に入れ替えて下さい。
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