真空管バッファーアンプ BF-V2 BST-V2 サービスノート

BF-V2 BST-V2の音が出ない、動作がおかしいと言う時に見ていただくためのページです。

本体内部は15V以下の電圧ですので、どこを触ってもしびれません。

まず用意するものは
1) テスター-----これはデジタルまたは、針式のアナログ タイプどちらでもOKです。
2) 発振器------無ければラジカセ、またはCDプレヤーで可、これは音を確認する時の信号源に使います。
3) シグナルトレーサー
4) クリスタルイヤホン

シグナルトレーサーは故障修理の時だけ使うものですから簡単に作っていただけばよろしいでしょう。下の写真のような感じでOKです。 イヤホーンジャックのHOT側に0.1uF/50V位のコンデンサーを付けます、コンデンサーのリード線にはショート防止用にビニールチューブを被せておきます。 イヤホンジャックのアース側にはみの虫クリップの付いたコードを半田付けします。イヤホーンはクリスタル型を使います。(クリスタル型以外は不可) こんな簡単な物でも十分に実用になります。 
使用する時はコンデンサーかイヤホンジャックの辺りを持って行って下さい。
それからもう一つ、信号を入力する時の接続ケーブルも作っておきます。 これらの物はエフェクターなどの修理の時にも使えますから、作っておいても無駄にはなりません。


シグナルトレーサー回路図           シグナルトレーサー写真 






音が出ない場合   順を追って調べて行きます。

ACアダプターはDC15V位の電圧が出ているか最初に確認しておきます。
BF-V2の上のケースを外します。 電源を入れて真空管のヒータ−が点灯しているか見ます。 点灯していればE点の+12Vまでは大丈夫でしょう、点灯していなければE点に+12Vが出ているかテスターで確認して下さい。 12Vが出なければ7812の不良の疑いがあります、12Vが出ていてヒーターが点灯していなければ真空管ソケットの半田付け不良、または真空管のヒーター断線が考えられますので、真空管をソケットから外してヒーターの4pin、5pinをテスターのΩレンジで導通があるか確認します。 ヒーターが切れていれば導通はありません。

真空管のヒーターと電源はOKの場合

発振器または、CDラジカセを用意します、接続ケーブルをCDラジカセとBF-V2に接続して発振音かラジオ放送かCDの音楽を流しておきます、音量はほどほどに、これがテスト信号になります。 シグナルトレーサーを用意し、クリスタルイヤホンを差込んでおきます。 このBF-V2は入力する信号が比較的大きくても大丈夫です、ラジカセの音量VRで調整して下さい。

シグナルトレーサーのみの虫クリップをアースに挟みます、針先(コンデンサーのリード線の先端)をA点に当てて音が出ているか確認します。音が出ていなければ「IN]のジャックの不良が考えられます。

ここにまで正常ならば次にシグナルトレーサーの針先をB点に当てて音が出るか確認します、音が出なければB点をテスターで当たり8V前後の電圧が出ていることを確認します。電圧が出ていなければ、ドレイン抵抗(1KΩ)の断線が考えられます。  電圧が出ているのに音が出ないと言う時は、FET 2SK-30GRの不良が考えられます。

ここまで音が出ていたら今度はC点にシグナルトレーサーの針先を当て音が出ているか確認します。 音が出なければ今度はテスターでC点の電圧を計ります、8V前後の電圧が出ていれば正常です。 電圧が出ていないかまたは極端に低い電圧ならば真空管の不良です。

C点まで音が出ていたら、今度はシグナルトレーサーの針先をD点に当てます、ここで音が出なければ1uFのコンデンサー不良 または半田付け不良。
D点で音が出ていて、アンプを繋ぐと音が出ない場合は、OUTジャック不良が考えられます。 または接続ケーブル不良の場合もあります。



ハム音がする
アースが確実に取れているか(シャシーにアースされているか)確認して下さい。
ACアダプターの出カ電圧が15V〜18V位有るか、また電流容量も300mA以上有るか確認して下さい。

電源のリップルがどれ位あるのか測定してみました、7812のIN側 F点では36mV、OUT側 E点では0.05mVでした。



真空管には寿命が有ります、使っているうちに劣化します、でもすぐに寿命が来るわけではありません、毎日1時間ずつ使っていても10年以上(3600時間以上、もしかしたら20年、7000時間位)は使えると思います。  真空管TVの時代、8000時間以上(1日8時間X365日X3年間)使える真空管はいくらでも有りました。 当時の国産真空管の品質は素晴らしいものでしたが、現在入手出来る外国製真空管の品質はどうでしょうか?

真空管の取替え時期は?  エミッションが減少した時、ヒーターが切れた時、ノイズが出て来た時、音が悪くなったと思った時、なんとなく取り替えてみたくなった時、音の良さそうな真空管が手に入った時に取り替えて下さい。 (無責任な回答)
数千時間も使っていれば出音は変化して来るかも知れません。  使う程に音が良くなるかも???


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