6GW8 ギターAMP サービスノート

6GW8 AMPを製作したが調子が悪い、音が出ない、故障してしまったと言う時に見ていただくページです。

シャシー内部は高電圧が掛かっています、感電事故などが無いように注意して作業してください。

出カにはダミー抵抗を接続して下さい、スピーカーを付けてはいけません。

電源が入らない、パイロットランプのLEDが点灯しない
ACプラグをコンセントから抜いて下さい。 AMPを製作して最初に電源を入れる時にヒューズを入れ忘れることがよく有ります、OKでしたら次にヒューズが切れていないか調べてください。 またACプラグから電源トランスまで配線忘れや半田付け不良が無いか調べてください。

フューズが飛ぶ
最初にヒューズがどの様に飛ぶのか調べます。

電源を入れた瞬間に飛ぶ場合 下の回路図のB1回路がアースとショートしていないか調べて下さい。 最初にダイオード D1、D2がショートしていないかテスターで調べて下さい。 大丈夫でしたら次にD1、D2のどちらかが逆接続されていないか確認して下さい、2個共逆接続の場合はマイナス電圧が出るだけですが、片方だけ逆接続ですと、ショート状態ですからフューズが飛びます。

ダイオードが OKでしたら次にB1のX点を切り離して電源を入れフューズが飛ぶか見ます、まだフューズが飛ぶ様でしたら、D1、D2のダイオードや6.3Vと5Vのヒーター回路を切り離して見ます、それでもダメでしたら、電源トランス不良を疑います。 (1次側100Vが正しくトランスの100V端子に接続されているか確認して下さい)
電源トランスがOKでしたらC4の47uFがショートしていないかも調べて下さい。 また半田付けの箇所がB電源とアースと接触していないかも調べて下さい。 B1を切り離してフューズが飛ばなければ、これより先がおかしいわけです。

電源を入れて数秒してからフューズが飛ぶ場合、又は1KΩ/10Wが非常に熱くなるがヒューズは飛ばない場合  1K/10Wの巻き線抵抗が急激に発熱する、この抵抗から煙が出る、焼けた匂いがする場合、C5の47uFの端子がショートしていないか調べて下さい、47uFが疑わしいけれど確認できない場合はこのコンデンサーの配線を外して電源を入れます、ヒューズが飛ばなければ47uF不良です。 新品の電解コンデンサーの不良は多くは無いと思います、それよりも半田付けしている端子間がショートしていないか、リード線や半田屑がどこかに接触していないか調べて下さい。

C5 47uFでなければ後は出カトランス不良しか有りません、トランス1次線の半田部分がアースと接触していませんか? 大丈夫の様でしたらこの1次側の線を外して電源を入れて見ます、これでフューズが飛ばなければ(1KΩ/10Wが異常に発熱しなければ)出カトランス不良です。
新品のトランスが不良ということはめったにありません、宝くじに当たる位に珍しいです、私は一度もありませんでした。



電源は入るが音が出ない、調子が悪い時

用意する物は
1) テスター-------------デジタルでもアナログでも良いです。
2) ラジカセ-------------発振器の代わりです、信号は音楽でも発振音でもOKです。
3) ダミー抵抗-----------8Ω/10Wのセメント抵抗を1本用意します。パワーAMPの出カ測定のページを参照してください。
4) VR回路--------------これは、真空管オーバードライブAMP サービスノートの時に製作する同じ物です。
5) 接続ケーブル--------マイクプラグやpinプラグの付いた物を各種用意してください。
6) 高電圧真空管回路用シグナルトレーサー  下の写真の物です



はじめに下図の様に接続します、音量VRは最小にして下さい。


最初にダミー抵抗を接続します、音量VRを最小にします。 スイッチ(S1)をアース側にしてK-NFBが掛らない様にします。
AMPの電源を入れ、真空管のヒーターが点灯しているのを確認します、点灯していなければ、ヒーターpinをテスターで測り6.3Vが掛っているか調べます。 6.3Vが掛っているのにヒーターが点灯していなければ、真空管のヒーター断線を疑います。
ヒーターがOKでしたら次にB1(300V)、B2(262V)や各プレートに電圧が出ているか確認します、ここに電圧が出ていなければ電源トランスの半田付け不良や整流ダイオードの不良を調べて下さい。 測定した電圧は10%前後の違いがあっても問題ないと思います。

今度は発振器またはラジカセから信号を出します、音楽でも発振音でもOKです、音量は発振器またはラジカセのVRとVR回路で適当な大きさにして下さい。 次に音量VR 1MΩを少しずつ回して行き、A点で音が出るのをシグナルトレーサーで確認します。ここで音が出なければ、これより前のVRや入力ジャックや入力ケーブルを調べます。

OKなら次にB点で音が出るのを確認します、この時入力信号が大きすぎ無いようにVRで調整してください。 ここで音が出なければ、プレート電圧(B点)をテスターで測ります。電圧(162V)が出ないかまたは極端に低い電圧ならばプレート抵抗100KΩの断線です。
電圧が出ているのに音が出ない時は真空管不良を疑います。予備の球があれば取り替えて見ます。 また電圧が高すぎる(220V位)なら真空管ソケット2pinの半田付け不良、またはカソード抵抗2.2KΩの断線、または半田付け不良、または真空管不良を疑います。  C点に電圧が出ない時も真空管の不良を疑って下さい、C点の電圧は約1.5Vです。

B点、C点までOKでしたら次はD点で音がでるか確認します。ここで音が出なければ、0.1uF不良か半田付け不良を疑います。

D点までOKでしたら次はE点で音が出るか確認します、もし音が出なければE点の電圧をテスターで測ります。 電圧(252V)が出ていなければ、出カトランス一次側の巻き線断線を疑います。 電圧が出ていれば真空管の不良が考えられます。 異常に高い電圧(B2と同じ電圧)ならば、カソード抵抗180Ωの断線または半田付け不良です。 F点の電圧は約6.5Vです。

ここまで正常ならG点で音が出るはずです、出カトランス2次側の巻き線の断線は考えなくても良いでしょう。 スピーカーを接続して音が出ない場合は出カジャックの半田付け不良または接触不良、またはスピカーのケーブル不良またはスピーカー不良が考えられます。

注意
AMPの電源が切れていても内部を素手で触らないようにして下さい、電解コンデンサーに高電圧が充電されています。 B電源部分を触る時は高電圧が電解コンデンサーに溜まっていないかテスターで確認して下さい、高電圧が溜まっていたら抵抗を通してアースへ放電させて下さい、抵抗は10kΩ〜30KΩ/1W位で良いでしょう。

ハムが出る  アンプの入カには何も接続しないで調べて下さい。
各アースは確実にシャシーに落とされているか確認して下さい。 ヒーター配線の片側がアースされているか確認して下さい。 密閉型のVRを使用している時は、VRのケースがアースされているか調べてください。
LEVEL VRを最小にしてもハムが出る場合はB電源回路のリップルが多いかも知れません、その場合は、B電源回路の電解コンデンサーの容量を増やして下さい。 本機の様に47uFが2個でもハムは全くありません。 B電源のリップルで無い場合は、ヒーター配線や信号線やアース線の引き回しを見直してください。 またスペア-管が有るなら真空管も取り替えて見て下さい。 他のサービスノートの頁も参照してください。

ザーノイズか大きい
ノイズが大きい時はまず最初にLEVEL VRを最小にしてノイズが出るか確認して下さい、一番疑わしいのは真空管ですからスペアー管があるなら取替えて下さい。 これで直らなければ抵抗やカップリングコンデンサーに問題があるかも知れません。
時々”ザザ、ブツブツ”と言う音が不規則に出るような時は、VRの接触不良、CR(コンデンサー、抵抗)の半田付け不良を疑って下さい、真空管不良の時も有リます。 半田付け不良を調べるには、プラスチック棒の様な絶縁された物で、CRを押したりたたいたりして調べて下さい。
VRを最小にした時にはノイズが出ないなら原因はアンプでは有りません、アンプの前に他の機器を接続しているならそちらも調べて下さい。

発振する
カソードNFB(K-NFB)がOFFの時は発振しないが、K-NFBがONの時には発振する、スピーカーを接続すると発振音が聞こえるという時は、負帰還(NFB)でなくて正帰還(PFB)になっている可能性があります。
1KHz位の信号を入カし、K-NFBスイッチをON、OFFして出カ電圧を測定して下さい、正しくK-NFBが掛っていればダミー抵抗の両端の電圧を測った時、K-NFB OFFの時よりK-NFB ONのときの方が、出カ電圧が下がります。 この電圧が上がる時には正帰還(PFB)になっています。

対策としては、出カトランス2次側の巻き線、0Ωと8Ωを入れ替えて下さい。 上の回路図の出カトランス部分を参照して下さい。
2次側の巻き線を入れ替えた後、K-NFBスイッチ(S1)を切り入りしても発振しないか確認して下さい。 巻き線を入れ替えた時、0Ωがスピーカーの方になりますが、出カが0Ωになったわけではありません。極性を逆にしただけで、出カトランス2次側のインピーダンスは8Ωです。

出カトランスの極性間違いではないのに発振する場合は、入出カの配線が接近しすぎていないか調べて下さい。
(2006/08/10)

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